Ceysson & Bénétière Tokyoでは、2026年5月28日から8月22日まで、アメリカ人アーティストのピーター・ハリーによる未発表作品を紹介する展覧会を開催いたします。
本展に出品される作品群は、2025年から2026年にかけて制作されたものであり、80年代からの一貫したハリーの芸術的探求が現在も持続していることを示しています。国際的なアートシーンにおける中心的存在として、ハリーは独自のモチーフと特徴的な素材であるRoll-a-Tex(塗料に混ぜて表面にザラついた質感を出す添加剤)およびDay-Glo蛍光アクリルを用いて、現代世界の構造を探究しています。
本展のタイトル「Parable(たとえ話、比喩)」は、展示の中心となる大型作品にちなんで名付けられています。また、この作品に加え、8点の絵画作品と7点のドローイングを展示いたします。これらは、デジタルプリントを基盤にツヤ感のあるアクリルを組み合わせた精緻な作品であり、アーティストの制作プロセスの一端を垣間見ることができます。
さらに、本シリーズについて、アーティストは次のように述べています。
「本展における小型の絵画は、1990年代以降制作してきたシリーズに属し、それらを“small prisons(小さな監獄)”または“small cells(小さなセル)”と呼んでいる。これらの作品はすべて、長方形の基盤の上に一つの『監獄』または『セル』が配置される構成をとっている。過去の作品においては、それぞれのセルや監獄は基盤の上にしっかりと据えられていた。しかし近年、これらの構成は顕著に不安定なものとなっている。監獄やセルは、背景やそれらを支える基盤から滑り落ちるようになり、かつては安定して合理的であった構成に不均衡の感覚がもたらされている。
本展の作品は、この状態をより大きなスケールで展開している。中型および大型の作品では、複数の監獄を一つの構成の中に組み込み、共有された水平の基盤の上に積層的かつモジュール的に配置することで、この不安定性を拡張している。各要素は互いに関係しながら移動し、単一の孤立した形態ではなく、位置がずれていく単位として機能している。
このようにスケールを超えて見られる新たな断片化は、作品における大きな転換を示しており、セルや監獄はそれまでの文脈から引き剥がされ、新たな構成の中で再編成されている。」
これらの作品を通して、ハリーは物理的および仮想的な世界における幾何学的パターンが、いかに私たちの存在を形作っているかを考察しています。また、自身の象徴的なモチーフを再考することで、彼は現代性を規定する制御と流れのシステムを分析しています。さらに、幾何学は私たちの現実を示すダイアグラムとなり、相互に連結された区画のネットワークとして現れ、そして、光そのものが色を決定づける要素となります。





